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SKY PerfecTV! 北野チャンネル
『おすぎの一倒両断いい映画をみなさい!』という映画紹介番組から。

『スターウォーズ・エピソード1・ファントムメナス』
について、おすぎさんの言葉です。

7月10日からね、前から前から1999年7月10日夏にはスターウォーズのエピソード1・ファントムメナスの公開があるって言われてて、そんなのは、へ〜、ノストラダムスの怖い怖い年が来るとは思わなかったと同じように、いつくるのかしらと思っていたら、、来ちゃった。

もう目の前っていう事で楽しみにしてる人達がたくさんいらっしゃると思うんですけど。5月の下旬にアメリカ、カナダで4000館が一斉ロードショーして1日で35億円稼いだんですよ。35億円ですよ。いいですか。
総制作費が350億円って言われてますから10日でクリアですよ。アメリカ、カナダで。あとヨーロッパと日本で稼ぎたいだけ稼ぐっていう映画なんです。

映画評論家たちアメリカではもう大不評ですよね。大失望だとか、ストーリーがつまらないとか、やれ人間が描けてないとかって、色んなこと言ってますけど、私に言わせれば、この手の映画で人間が描けてないのなんか当たり前ですって、人間なんて出てきてないんですから。。。なんでそれが、描けてないとかって言うのか、わかんない。

私はね、でも「見なさい」って言いますよ。参加するっていう気持ち、大フェスティバルに、お祭り騒ぎに行ってみようってつもりで行ってみる。それがとっても大事な事ですよ。

何しろこの男の子が可愛いぃ〜〜。あなたね、10歳で、アナキンスカイウォーカーっていう役をやるんですけど、男の子が一人立ってて後ろに中近東なんかでよく見かける住まい泥で作った、そこに陽が当たっててアナキンスカイウォーカーの影がダースベーダーになっているっていうポスターがあるんですけど、この小さな10歳の男の子は36年後はダースベーダーになるわけです。だからその、私たちは知ってるわけです。36年後の話って、3部作で見ちゃってるわけですから、オリジナルで見ちゃってるから、だからこれは36年前の話なんです。36年前にダースベーダーは10歳の子供だったわけですよ。さて、、っていう話ね。

で、これはね何が良くできてるかって言うと、まだエピソード2、3ってあるんですね。あるのに、この映画を見ながら、たった“一箇所”だけ、細心の注意をはらって見なきゃいけないところがあるの。この男の子のお母さんがったった一言だけ言うセリフが、あとの36年後の世界も、それからエピソード2、3もひっかかってくるんですよ。そこを見逃しちゃうと「何だぁ」になっちゃうのよ。ストーリーが面白くなくなっちゃう。でもとってもそれはね、深い“意味”があるんです。もちろん私は頭がいいから、すぐわかったんですね。でもそれは、あとあと、ダースベーダーが何故悪の世界に入らなけりゃいけなかったかっていうきっかけなんですよ。その言葉を絶対見逃さないように。その言葉がある為に母と子の別れが、かなりあっさり描かれます。もう日本人だったら、あんな10歳の子が、お母さんと離れるんだったら、ためて、ためて、ためて、ためて、『鉄道員/ぽっぽや』の健さんと小林稔侍みたいにぃ〜、とかって思うだろうけど、そうじゃないっのよ。そこが大事なとこなのよね。だから、そこをまず、見るって事ですね。

ルーカスって監督さんはね、映画がとっても好きな監督、そうですよね、みんなそうに決まってる。映画が好きなのは。

この映画の中に昔私達が見た映画のオマージュがたくさん入っているんです。だから映画見ながら何となく故郷に帰ったような気持ちになるのは、昔私達が見た映画、一番いいのはポッドレースですね。この男の子が出たレース。乗り物に乗ってレースをするシーンがあるんですよ。そのレースをするシーンっていうのは全く「ベンハー」のチャリオットレースなんです。そのチャリオットレースっていうのはベンハーが奴隷船から開放されて、まあ、開戦があって将軍を助けたってことによって将軍の養子になって、っていって、あそこでライバルの男の人と一緒にレースに出る。それは馬車を使ってチャリオットレースするワケですけど。あのシーンが、もろ、再現されています。それがポッドレースで。どういう風にかっていうと、ベンハーの時、始まる時に、カメラが競技場を横から映すのね。横から映しながらずーっとカメラは上がっていくわけですよ。そうすると、左に映ってる、その競技場の観客が、ワーーーッて言ってるところから始まってカメラが、ふかん(?)でこう撮ると、そこにチャリオットのレースに出る馬車たちが置かれるって、、全く同じショットで見せる。ものすごっく良くできてるし、手に汗握るわよ。

だってこの子だけが人間の体、顔つきしてて、あとは全部クリーチャーなんですもん。 なめくじのオバケだとか、爬虫類みたいのだとか、もう、たくさん出てくる、もうよくこのイマジネーションあるってくらい出てくるわよ。

私の友達で30代後半の映画ライターがいるんだけど、日劇でやった試写を見た。 前の方で見たんですって。スクリーンが大きいから、はじとはじが見えなかったって。何が映っているかわからなかったって。だからできるだけ、年をとった人はこの映画見る時は、うしろで全体のスクリーンが見える所で見たほうがいいってのと、ドルビーなんかでもSDSの音でも、なにしろ、改良に改良を重ねて、素晴らしい音ですから、もうね、この辺(おしり)からジーーーンとくる、とかね。

それからヒッチコックの『レベッカ』の1シーンと同じようなのがあるとか、『エルシド』っていう 昔のチャールトンヘストンとソフィアローレンの出た映画のワンシーンを彷彿させるとか、っていうのがね、たくさん ありますので、是非ご覧になってほしいと思います。

それからナタリーポートマンが、とっかえひっかえ、とっかえひっかえ、とっかえひっかえ、出てくる度に 衣装と頭のメーキャップを変えますけど、これも見ものです。

私はすごく楽しく見たので、是非ご覧になればいいんじゃないかなって思っています。

1999年7月


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